タイトル『達磨の大将』
1
ある
ところに達磨の村がありました。達磨の村は農業が盛んでした。農家一つ一つには農業の知識の深い達磨の大将がいました。ある程度の年齢になると農家を目指す若い子達磨たちは達磨の大将について一年間一生懸命農業を学ぶ決まりでした。
そして達磨の大将は彼らを教育し、一年間子達磨たちを守る代わりに、子達磨たちは大将に忠誠を誓い、一生懸命畑仕事をして働きました。
2
その村の中にちょっぴりいばりんぼうな達磨の大将がいました。達磨の大将はずっと子達磨たちの受け入れを面倒くさくて断っていましたが、とうとう村の長老から小言をもらったので、どうやら今年は受け入れない訳に行かなくなったのです。
大将のもとで働いていた達磨農民は大喜び。小達磨の受け入れ期間には、仕事が減るからです。このちょっぴりいばりんぼうな達磨の大将はちょっと何かを間違えただけですぐガミガミと体を更にぽっぽと赤くして怒鳴るので、影で“炎達磨"と呼ばれ、ちょっぴり嫌われていたのです。
その上達磨の大将の農家は、支持通りに働いているのに他の農家に比べあまり作物が採れなくないので、働いている達磨たちには不満があったのです。
そしてとうとう子達磨たちを受け入れる日がやってきました。
3
「おはようございます」
大きな元気のいい声が外から聞こえました。
ガラガラ……ッと扉を開けると、そこには、三つの小さな身長の揃った子達磨がいました。まだ寒い時期だったのと(そのころはまだ年が明けたばかりの1月でした)少し緊張しているようで、期待を込めて目をパッチリ開けて、白い頬はピンクに染まっていました。
「はっ。たったの三人か」
達磨の大将はいかにもつまらなそうにいいました。内心は面倒が減って良かったと思っていたのですが、口では