2009年7月5日日曜日

本 フラミンゴの家


父は入院魔であった。
確か小3のとき父の友達の家に妹とお泊り。
ケッコウ危ない手術だったらしい。それが最初で入退院を繰り返す。
何回、家に救急車が来たことか。会社から電話がかかってきたことか。またか、またか。
小学生のときは母に連れられるままにお見舞いに。
中学からは行かなかった。弱っている人間を見るのは嫌い。
入院した後に行くと頬コケて辛そうで。
ある入院のとき、たまたま少し仲良くなった女の人がほとんどビールしか飲まない人でご飯を食べない人だった。父も食べてないから、自分も減らしてみようと一日一食にしてみたが結構いけるもの。夜だけで一日分食べてしまってたけど。
最後の入院だけは通った。ちょうどお盆前で休みだったし。
父は病気魔だったけど、その割には生命力が強かったようで。医者が言うよりは長生きを。
旅中は父は入院しなかった。気が利く奴。
何度目かの旅中に会った人に聞かれた。「何で旅をするのですか?」
少し考えて、「帰るところがあるからじゃない。」と、言っておいた。
スペインを歩いているとき、「一人で歩いているのか?」
「そう。」と、答えると、「周りの人がいるから歩けるのだよ。」と、言われた。
今のところ家は居心地が良いわけでも悪いわけでもない。出たい気もある。
しかし、自分の居場所を探すのは難しい。居てもいい場所に居るのは楽なんだよね。

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